ミニボート 基礎知識編

~長さ3m未満、出力1.5kW未満なら免許不要~

“船舶の長さ”(登録長)が 3m未満(船体長さ3.33m未満)で、推進機関(船外機やエレキモーター)の出力が1.5kW未満(2馬力以下)のボートは、推進機関付きであってもボート免許(小型船舶操縦士免許)なしで操船することができます。また、法令に基づく船舶検査(自動車の車検にあたる)も不要となります。このカテゴリーのボートをミニボートと呼びます。
なお推進機関がエレキモーター以外では、「緊急エンジン停止スイッチ、遠心クラッチ、中立ギア、プロペラガードなど、直ちにプロペラの回転を停止することができ、プロペラによる人の身体の障害を防止する構造を有すること」という条件が付記されています。
手軽に海や湖に降ろして遊べるミニボートですが、事故も多く起きています。正しい知識を身につけ、安全に楽しみましょう。

  • インフレータブルボート

    使用時に空気を入れて膨らませるタイプで、収納・運搬に便利。海上では横安定性に 優れ転覆しにくいという特性もあります。

  • リジッドボート

    FRP(繊維強化プラスチック)などの硬質素材でできたタイプ。波切りなど走行性能 に優れ、装備を取り付けやすいのも利点です。

  • 2馬力船外機

    始動はセルではなくスターターロープを引くマニュアル式。燃料タンクは内蔵されています。後進は船外機を180 度反転させて行います。


~波や風の影響を受けやすいので注意~

メーカー指定の定員を遵守しましょう。2人乗り、あるいは荷物が多くボートが重くなっていると、速力は4ノット前後(約7km/h)といったところです。
ミニボートが安全に航行できる範囲は、波の高さが20cmくらいまで(ボートの乾舷(=水面から船べりの高さ)までの半分以下)、風速は4m/s以下としましょう。これらを超えている海況の場合は出航しないようにしましょう。
また、海でミニボートに適した行動範囲は、岸から1km程度(海岸にいる人の動きがわかるくらいの距離)。エンジンが故障した時のことも考え、オールで漕いで戻ってこられる範囲で遊びましょう。なお、2馬力船外機の内蔵タンクは容量1リットル程度。フルスロットルで連続走行できるのは1時間くらいで、これも海況が悪いと極端に燃費が悪くなります。
またリジッドタイプのボートは、横波を受けたり、乗っている人が片側に寄ったりすると傾きやすく、落水や転覆の危険もあります。メーカー指定の定員を遵守し、船内では立ち上がったり急激に動いたりしない、横波を受ける状態で走り続けない、など、ボートのバランスに気をつけましょう。なお、リジッドボートはサイドフロートを装備することにより、浮力(復原力)が増して転覆しにくくなります。

片舷に人が寄ったり、横波を受けると危険

インフレータブルボート以外のミニボートは、横幅が狭く、比較的簡単に傾きます。片舷に人が寄ったり、横波を受たりした状態はかなり不安定になります。

  • 安全に航行できる範囲を超えた場合、航行不能や転覆する危険があります。出航しない、または直ちに帰港してください。
  • インフレータブルボート

    使用時に空気を入れて膨らませるタイプで、収納・運搬に便利。海上では横安定性に 優れ転覆しにくいという特性もあります。

  • リジッドボート

    FRP(繊維強化プラスチック)などの硬質素材でできたタイプ。波切りなど走行性能 に優れ、装備を取り付けやすいのも利点です。

▼ 表は右へスワイプしてご覧ください

和船とミニボートを比べてみると

項目 和船(25馬力船外機装備) リジッドボート(FRP製ボート) ボートインフレータブル(ゴム製ボート)
全長×幅 4.3m×1.6m3.0m×1.6m3.0m×1.6m
①船体の重量 260kg50kg49kg
②船外機の重量 52kg18kg18kg
③乗員の重量 75kg75kg75kg
①②③合計 387kg143kg142kg

和船の総重量は387kg、ミニボートの2.7倍です。ミニボートは和船の2.7倍傾くということで復原力が小さい。

リジッドボートにサイドフロートを取り付けると浮力が増し、転覆しにくくなります。

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