ミニボート 動力編

~燃料、オイル、冷却水が重要~

[初めて使用するスタートアップの概要]

詳しくは船外機メーカーの取扱説明書を熟読しましょう。

  • 本項は、主要メーカーの船外機の基本事項を抜粋して記載しています。
  • 必ず各社の取扱説明書をお読みください。
  • 取り扱いを誤ると重大な事故や故障の原因になります。
  • 特に注意すべき事項を以下に記載しています。安全のために重要ですので、必ずお読みいただき、遵守願います。
危険
取り扱いを誤った場合、死亡または重大な傷害を負う危険性が差し迫って生じると想定される事項を示しています。
警告
取り扱いを誤った場合、死亡または重大な傷害を負う可能性が想定されている事項を示しています。
注意
取り扱いを誤った場合、傷害を負う可能性が想定される事項を示しています。
注意
取り扱いを誤った場合、物的損害の発生が想定される事項を示しています。
アドバイス
正しい操作方法や作業上のポイントを示しています。
  1. 1. 運転前準備

    1. 1-1 エンジンオイルの補給:規定量であることを必ず確認します。

      • 工場出荷の梱包状態では、エンジンオイルが満量ではありません。
      • 使用前に、必ずメーカーが推奨する種類のエンジンオイルを規定量まで補給してください。
      • 販売店から受け取った状態では、エンジンオイルが満量であることを確認しましょう。
      • 規定量以下であれば、メーカーが推奨する種類のエンジンオイルを規定量まで補給してください。
      • 個人から受け取った状態では、エンジンオイルを新替し、満量であることを確認しましょう。
      • 規定量以下であれば、メーカーが推奨する種類のエンジンオイルを規定量まで補給してください。
      • ギアオイルも同時に交換しておきましょう。
      注意:エンジンオイルが無い状態で、運転すると重大な損傷を与える恐れがあります。必ず、エンジンオイルを規定量まで補給してください。
      注意:エンジンオイル量が少ない状態でも、多い状態でもエンジンに重大な損傷を与える恐れがあります。必ずエンジンオイルは規定量にしてください。
    2. 1-2 燃料の給油

      • 自動車用無鉛レギュラーガソリン(以下ガソリン)を給油します。
      • メーカーが規定する量を超えないでください。
      • ガソリンは、新しいもので、ゴミの混入がないものを給油してください。
      • 給油後は、燃料タンクキャップを固く締めます。
      • 燃料タンクキャップ上部のエアーベントも閉めます。
    3. 1-3 エンジン冷却水の準備

      • 一部のメーカーを除き、船外機のエンジンは、水冷仕様なため冷却水を準備します。
      • 水に浮かべたボートに正しく設置するか、船外機スタンドに正しく据え付けて水槽タンクに適正な深さまで入れます。
      • 水槽タンクに入れて運転する場合は、プロペラを外しておきます。タンクへ水の供給を確認しながら水位を保ちます。
      危険:気化したガソリンは、引火爆発する危険があります。ガソリンのある付近では、火気を絶対使用しないでください。
      注意:エンジン冷却水が無い状態で、運転すると重大な損傷を与える恐れがあります。必ず、冷却水を供給してください。
      警告:燃料は引火しやすく火災の恐れがあります。燃料タンク等への給油時は、・エンジンを停止してください。・風通しの良い所でしてください。・燃料をこほさないでください。・こぼれた燃料は、布などで完全に拭き取り、その布は火災及び環境に留意して処分してください。
      注意:燃料補給時は次のことを必ず守ってください。お守り頂けないと、燃料システムやエンジンが損傷する恐れがあります。・指定された燃料を使用する。・長期間、燃料タンクに放置された燃料や古い燃料は使用しない。雨天や強風の時に補給する場合は、燃料タンクに水やこみが入らないように注意してください。つまりや故障の原因となります。
      警告:一般プラスチックタンクを予備燃料タンクとして使用すると、強度・材質の変化によりガソリンがもれる恐れがあります。予備タンクは、消防法で認定された物やUN 規格認証品を使用してください。
  2. 2. 始動

    1. 2-1 クランプスクリューを締め付ける

      • 船外機の取り付け状態を確認します。
    2. 2-2 ボートで始動するとき

      • ボートでエンジンを始動する前に、緊急エンジン停止スイッチのコードを腕や救命胴衣のベルトに取り付けます。
    3. 2-3 エアーベントを開ける

      • 燃料タンクキャップ上部のエアーベントを2回転以上回転させ、開けます。
    4. 2-4 燃料コックを開ける

      • 燃料コックを開の位置に合わせます。
    5. 2-5 シフトレバーを中立にする

      • シフトレバーを中立(Nの位置)にします。
    6. 2-6 スロットルをスタート位置にする

      • スロットルグリップをスタートの位置に合わせます。
    7. 2-7 チョークノブを引く

      • エンジンが冷えているときは、チョークノブを引きます。
    8. 2-8 スターターロープを引く

      • 重くなるところまでゆっくり引き、重くなったら力強く引いてください。
      • 4~5回始動できなければ、チョークノブを押し戻し、スロットルを半分ほど開けた位置で始動します。
      • それでも始動できないときは、スパークプラグがガソリンで湿り点火できない恐れがあります。
        付属工具でスパークプラグを外して点検し清掃します。
    9. 2-9 アイドル回転にします

      • エンジンの始動後は、エンジン回転を確認しながらチョークノブを押し戻します。
      • スロットルを戻し、アイドル回転にします。
      • 検水口から冷却水が排出されていることを確認します。   冷却水が出ていなければ、直ちにストップスイッチを押して、エンジンを停止し、販売店にご相談ください。
        (空冷タイプの船外機を除く)
      注意:船外機艇は、エンジンを始動する前に船外機が艇体に確実に固定されていることを確認してください。固定が不十分でエンジンを作動させると、船外機が外れて重大な事故につながる恐れがあります。
      注意:・コードタイプの緊急エンジン停止スイッチが取り付けられているボートは、操船する前に操船者の救命胴衣などにコードを必ず取り付けてください。事故などで操船者が操船位置から離れた時にボートが暴走し、思わぬ事故につながる恐れがあります。・緊急時以外は使用しないでください。急なエンジン停止により、乗員が転倒したり落水したりして、けがをする恐れがあります。・緊急エンジン停止スイッチが作動してもプロペラが停止するまでに数秒間かかります。プロペラが回転している間は近付かないでください。
  3. 3. 運転

    1. 3-1 シフト操作(前進と後進)

      ※シフト操作は必ずスロットルグリップを戻し、アイドリング回転になってから行います。

      • 前進:シフトレバーを素早く前進側に倒します。
      • 後進:シフトレバーを中立位置にした後、船外機を180度反転させ、シフトレバーを素早く前進側に倒します。
    2. 3-2 速度を上げる

      • スロットルグリップを右回転させると、エンジンの回転が上がり、速度が上がります。
    3. 3-3 巡航速度

      • スロットルグリップを8割程度回転させた速力で運用します。
    4. 3-4 慣らし運転

      • 新しいエンジンは、メーカーが定めた慣らし運転を必ず行ってください。
      注意:急な加減速はしないでください。乗員が転倒や落水する恐れがあります。
      注意:エンジン高回転時にシフト操作すると、急加減速による乗員の転倒やクラッチ・ギヤ等の損傷の恐れがあります。アイドリング回転時にシフト操作をしてください。
      注意:航走中は常に操舵装置から手を離さず、万が一のときにすぐに対応できるようにしてください。
      注意:急な旋回はしないでください。乗員が転倒や落水する恐れがあります。
      注意:・エンジンを高回転で作動させた直後にエンジンを停止させないでください。排気管よりエンジンに水が入り、故障の原因になります。・緊急時以外は緊急エンジン停止スイッチを使用したエンジン停止をしないでください。
      注意:
  4. 4. 停止

    1. 4-1 スロットル操作

      • スロットルグリップを戻し、アイドリング回転まで下げます。
      • シフトレバーを素早く中立位置に戻します。
      • ストップスイッチを強く押し、エンジンを停止させます。
  5. 5. 運搬

    1. 5-1 運搬方法

      • 直立状態で運搬します。
      • 横に倒して運搬する場合は、燃料のガソリンが漏れます。
        メーカーの取扱説明書に記載の通り各バルブを閉めるか、エンジン内の燃料を抜いてください。
      • 横にする方向が決められています。メーカーの指示通りに倒して運搬してください。

始動しない時のチェックポイント

  • 燃料が入っているか
  • 燃料コックが開いているか
  • 燃料タンクのエアーベントは開いているか
  • 緊急エンジン停止スイッチのコードは装着されているか

やむを得ず船外機を倒した状態で運ぶ場合は、取扱説明書の向きを守ること。間違った向きで置くと故障の原因になります

エンジンオイルは常に規定量入っているかチェック。また定期的な交換も必要です

この丸窓がオイル量を確認するゲージ。規定量より多くても少なくてもいけません

古くなったガソリンはゴミや不純物が混じり、エンジン故障の原因になります。燃料タンクの劣化や水の混入にも注意しましょう

始動燃料コックの開閉レバー。運搬時にはコックを閉めておかないと燃料が漏れます。しない時は開け忘れをチェック

操船者にコードを接続しておくと、操船者が落水した際にコードが引っ張られて抜け、エンジンが緊急停止します。抜けているとエンジンが始動しません

スターターロープをゆっくり軽く引き、止まったところから力を入れて引くのが始動のコツ。コツをつかめば女性でも簡単に始動できます

  • 2馬力船外機の各部名称
homeへ